■整備事業経営対策WG会議における自動車整備事業活性化方策
<事例 ~2~>愛媛県自動車整備商工組合 (愛媛県自動車整備振興会 中予支部)

平成30年12月16日(日)

キッズジョブまつやま2018(子ども職業体験イベント)

<イベントの趣旨>
 整商連では、「自動車整備事業の活性化方策」の一環で、愛媛県松山市とその周辺の自動車整備事業者が協力して出展した職業体験イベント『キッズジョブまつやま2018』を取材した。
 『キッズジョブまつやま2018』は、子どもたちが仕事体験を通して、将来やりたい仕事や興味のある仕事への理解を深め、大人になって職業を選ぶ時の準備をすることを目的としている。
 松山市内の小中学生1600人余りと、61種の職種を一同に会した職業体験イベントである。

<会場風景>

 会場は、「松山市総合コミュニティセンター」で、企画展示ホールエリア、コミュニティセンター中心部エリア、体育館エリアの大きく3つに分類され、自動車・バイク整備士(メカニック)教室のブースは体育館エリアに出展。
 各お仕事体験は、抽選で事前に受講者が決められており、当日飛び入りで職業体験の参加はできない仕組みとなっている。

 会場では、愛媛整振のオリジナルキャラクターてんけんJr.が大人気で、体育館エリアを見学に来ている子ども達の多くが足を止め、自動車・バイク整備士(メカニック)教室を外から眺める場面もあり、集客に一役買っていた。

<正面右>愛媛県自動車整備振興会 中予支部 技術委員会 畦(うね)英二 様
     (有)喜多自動車整備工場
<正面左>愛媛県自動車整備商工組合 事業課課長 大北祐嗣 様

<応募総数> 松山市内 小中学生38,000人のうち、3,600人の応募
<抽選結果> 1,656名(キッズジョブ松山2018 全体の参加人数)
<自動車整備士 体験希望者数> 63名(内、女子7名)

【自動車・バイク整備士(メカニック)教室 時間割】各コマ45分

2コマ目 高学年16名
3コマ目 昼休憩
4コマ目 低学年14名
5コマ目 低学年20名
6コマ目 高学年13名

低学年:小学3年、4年生
高学年:5年生以上

 最初に自動車の模型を使った説明と、エンジン、トランスミッション、ボルト/ナット等の名称及び、簡単な仕組みを説明。

 ピストン、バルブ、ボルト/ナット等の部品のほか、クランクシャフトをハンドルで回せるエンジンカットモデルもあり、実物を見て、触って少しずつ興味を引き出していた。

タイヤのナットを自分で締め、タイヤがどの様に固定されているかを実技で体験。(自動車の点検・整備作業は、子ども達には初めての経験。)

ハンドスピナーを使って、ベアリングが何のために必要なのか、分かり易く説明。
子どもが理解し易い道具を活用するなど、工夫されていた。

 自動車・バイク整備士(メカニック)教室 では、エンジン内部にあるピストンがどこにあるのかを、子ども達で実際にプロが使用する工具を使ってエンジンを分解し、取り出す実習を行っていた。
【写真上】原付エンジンを分解するグループ

【写真下】軽自動車のエンジンを分解するグループ

 講義では静かだった子ども達も実技になると活発になり、初めてみるエンジンの中身に興味津々で、支部会の皆様の手伝いもあって無事にピストンを取り出していた。
 教室に参加した子どもの保護者の方(母親)から、「整備士は需要ありますか?」と質問される場面もあり、自動車整備業界の現状について簡単に説明した。
 なかには、自宅で色々な機械を分解するのが好きで夢中になる事もあるが、結局組み立てられず諦めてしまう子もいるなど、複数の保護者の方に子ども達の機械への興味度を伺う事もできた。

 お仕事体験の最後に、将来整備士になりたい人?の質問をしたところ、数名がなりたいと手を挙げていた。

 お仕事体験終了後は、イベントの趣旨に賛同していただいた会員事業者から提供された、ノベルティグッズ等の記念品を子ども達に配布していた。
 また、会場内にある地域通貨ショップでのみ使用できる『地域通貨』を受け取り、お菓子や文房具などを購入することができる。
 このイベントでは、働いてお金をもらうことを学ぶことができる。

(地域通貨の単位「きゃん」は、愛媛県イメージアップキャラクター『みきゃん』に由来する。)

 参加した会員事業者からは、体験を通して子ども達の車やバイクに対する興味を引き出し、車やバイクのファンをたくさん作りたいという意見があった。

 本イベントを取材させて頂き、子ども達が実際に仕事体験できる事が、興味を引き出すきっかけとなる大きな機会である事を改めて感じた。
以 上