■整備事業経営対策WG会議における自動車整備事業活性化方策
<事例事例 ~13-2~>
岡山県自動車整備商工組合青年部会
取材日:令和7年10月7日(火)
<地域における事業者間連携による自律的取組に係る支援>活用事例
岡山県自動車整備商工組合青年部会による関係機関との意見交換会
整商連では、「自動車整備事業の活性化方策」の一環として、昨年(令和6年)新たに設立された岡山県自動車整備商工組合青年部会の活動を継続取材している。
今回は、初の試みとして行われる関係機関との意見交換会を取材した。
当日の様子
意見交換会は岡山駅前の貸会議室で開催され、青年部会の役員11名、岡山県自動車整備商工組合の職員3名、および関係機関から中国運輸局岡山運輸支局の担当者2名、および自動車技術総合機構の担当者1名が出席し、青年部会の佐藤幹事の司会の下、午後6時30分より開始された。
最初に関係機関から出席された中国運輸局岡山運輸支局の山下浩介首席陸運技術専門官(主に継続検査等の検査整備保安のご担当)、吉田奈美首席運輸企画専門官(主に自動車の登録関係や、回送運行許可等のご担当)、独立行政法人自動車技術総合機構中国検査部岡山事務所の西森寛和所長(主に検査場での業務をご担当)の紹介がされた。
その後、青年部会の藤森大輔会長より、関係機関3名への謝意と、青年部会の概要や設立の経緯、また今回の情報交換会でお互いの意見をすり合わせ、今後より良い関係を築けるように率直な意見交換をできる場にしたい旨が、開会のあいさつとして述べられた。
挨拶する藤森大輔青年部会長
その後、事前に青年部会の会員より寄せられた要望や質問事項等をもとに意見交換が行われ、検査場に、ユーザー車検や慣れていない人用のコースを別に設けること、OSSの利便性向上、業務のオンライン化に関することや、未認証整備工場に対する取り締まりの更なる厳格化、また岡山運輸支局内へのWi-Fiルータ設置や、喫煙所設置の要望等が出され、忌憚のない意見交換が行われた。
意見交換時の様子
その後、岡山運輸支局からスキャンツール補助金の交付申請や、令和7年12月26日をもって、継続検査時の「自動車検査証記録事項」の配付が終了するため、紙面で必要な場合は窓口の印刷端末で個別に印刷するか、「車検証閲覧アプリ」よりPDFファイルを出力し対応してほしいと案内があった。
最後に、青年部会の矢内副会長より、日々の業務に対する課題や要望を率直に伝えることができ、かつ真摯に受け止めていただけたことへの感謝と、また整備事業者は登録や検査業務を通じて、ユーザーと行政機関との懸け橋を担っており、このような意見交換会を継続して実施していくことで、自動車整備業への理解が深まり、業務が効率的に行えるように今後も関係機関と力を合わせて、前向きに取り組んでいきたいと閉会の挨拶があった。
その後は交流会となり、青年部会役員と関係機関の参加者で、多くの交流している様子が見られた。
【総括】
整備事業者の方々は、業務で運輸支局や自動車技術総合機構を訪れる機会が多いが、このように意見や要望を直接言う機会は今までなく、青年部会に入ることでこのような機会を得られることは、青年部会活動を行う上での大きなメリットになるのではないかと感じた。
今回は役員のみの出席であったが、次回以降は全会員にも門戸を広げる予定とのことで、今後の青年部会の発展に寄与する有意義な試みであると感じた。

<事例 ~13~>
岡山県自動車整備商工組合青年部
取材日:令和6年8月22日(木)
<地域における事業者間連携による自律的取組に係る支援>活用事例
岡山県自動車整備商工組合青年部設立総会
整商連では、「自動車整備事業の活性化方策」の一環として、この度新たに設立された岡山県自動車整備商工組合青年部の設立総会を取材した。
当日の様子
設立総会は岡山駅から徒歩3分のANAクラウンプラザホテル岡山で開催され、来賓や多くの部会員候補者の臨席のもと、午後7時より岡山県自動車整備商工組合事業部の岡田部長代理の司会進行で、開会された。
発起人:藤森大輔氏の挨拶
最初に発起人を代表して、(株)賀陽モータースの藤森大輔氏から、あいさつがあり、設立に尽力いただいた方々と入会申込者への謝意、青年部設立の経緯の説明がなされた。
最初のきっかけは、令和6年1月に開かれた、組合主催の次世代後継者交流会であったこと。
いま自動車業界では100年に一度の大変革期と言われており、自動車技術の高度化、産業の再編、クルマの使い方がユーザーライフスタイルの変化により変わってきており、自動車業界がおかれている環境はめまぐるしい速度で変化している。
そのような中で、岡山県の自動車整備業界の中で次の世代を担う方たちが、立場、年齢、また地域の垣根を越えてこれからの自動車整備業界で活躍する会を作りたいとの声が交流会であった。
その後、商工組合からこの声に共感した数名に声がかかり、発起人会が11名で組織され、今回の設立総会へと至った。
また、無事に設立総会を迎えることができたが、青年部会は新しく立ち上がったゼロからの組織であり、決まったものはなく、これからつくりあげるものである。岡山の自動車整備業を盛り上げていくために、また事業者本人も仕事が楽しくやりがいのある事業をするために、多くの賛同者の手で、様々なアイデアを出し合い、実現させることを目指したい。
そのためには、まず交流を深め、お互いの人となりを知り合うことが、様々なおもしろいことをつくる最初の一歩になると思う。総会後の交流会まで、ぜひとも宜しくお願いしたいと挨拶。
その後、来賓の紹介ならびに挨拶へとなった。
岡山県自動車整備商工組合 梶谷理事長
岡山県自動車整備商工組合の梶谷理事長は祝辞のなかで、青年部会の設立は理事長就任以来切望していたこと、その思いに応えてくれた発起人ならびに、初期メンバーとして加入いただいた81名の申込者への謝意を述べられた。
また青年中央会を経由して、他業種の業界団体の青年部会が活発に活動している話を聞き、整備業界の組合員が多数いる中で青年部会が存在しないことを残念に思っており、今回ようやく設立されたことに非常にワクワクしている。時代が激しく変化していく中で、経験が長い人が正解を持っているわけではなく、これからを担う若い世代が業界を引っ張って欲しい。そのため組合としてのこれからの整備業界を明るいものとするために、そのアイデアを出せるのは、未来を担っていく若い世代であり、整備業界を引っ張って行ってもらいたい、また商工組合としては青年部会がやりたいことを実行に移せるように、変わっていかなければならない。
未来に対して時間を多く持っている若い世代が、どんどん前面にでるべきであって、これから来るといわれている激動の時代を明るい未来へとするべく、覚悟をもって上の世代を積極的にリードしていただき、自分たちが目指す業界団体を作っていってほしい。
それぞれの熱い思いや、問題意識を共有していただきこれから議論等を深め、組合として、できる範囲でどんどんバックアップしていきたい旨を述べられた。
自動車整備業界は社会の根幹を支える重要な業界であるが、一方で高齢化が進んでおり、この青年部会を通じて、若い人が積極的に選んでいただける未来の明るい業界であるとアピールしていってほしいと挨拶された。
岡山県中小企業団体青年中央会 戸川会長
岡山県中小企業団体青年中央会の戸川敬之会長からは、年々青年部会を組織する業界団体が減っている厳しい状況ではあるが、いろいろと意見や要望を上げてもらい、力添えをしていただきたい旨を述べた。
次に、日本自動車整備商工組合連合会の藤井常務理事ならびに、岡山県中小企業団体中央会の村上事務局長からも祝辞が述べられた。
選出された役員の方々
役員の選出に移り発起人である藤森氏が会長に選出された。会長就任にあたり、初代会長として非常に重責を感じている、青年部会に入ったことでよくなったと感じられるように会の運営をしていきたいので、堅苦しくない、楽しみながら面白い会になるように運営していきたいと述べた。
次に、役員会が行われ、初期申込者81名全員の入会が承認された。
議案の採決の様子
次に、藤森会長を議長として議案審議が進行し、事務局から令和6年度の事業計画案、ならびに予算案の説明があり、全員の賛成により承認された。
加久間副会長の閉会の挨拶
以上で総会は閉会となり、加久間副会長が閉会の挨拶を述べた。その中で、青年部会から会員にやりたいことをどんどん提案してほしい、次の世代にも横のつながりがあるから安心できる、そういった会にしていきたいと挨拶があった。
懇親会の様子
総会後は懇親会となり、総会に参加していた青年部会の会員同士で早速、多くの交流している様子が見られた。
青年部会の設立により、これまであまり交流のなかった他の地区の会員と、話をすることができ、同年代の仲間とのつながりも生まれていた。今後もこの青年部会の活動を通じてこの輪を広げていきたいという声が聞かれるなど、会員の青年部会に対する熱い想いが伝わってきた。
【今後の活動方針】
今後は青年部会として、若い会員の行動力を活かして、意見交換等を積極的に行い、今までにない発想や切り口で、いろいろな提案を行い、イベントや交流事業を行っていくことで、組織の活性化を図っていきたい。
今年度は、設立したてということもあり、まず初めに会員相互の交流を図ることに力を入れていくことにより、部会の運営を安定して軌道に乗せることから始めていきたいと考えている。
【統括】
現在、各地の青年部会では活動を縮小する状況もある中で、岡山県では新規に青年部を立ち上げることとなった。
整備要員の高齢化や、整備士資格を持っている若い世代が整備業界に就職しないといった問題がある中で、青年部会は今後その解決策の一つとなりうると考えられる。
今回81名という多くの賛同者が集まって、活動をスタートさせた青年部会が、交流活動等を通して、地域を超えて連携を深め、これまでの常識にとらわれない新しいアイデアを持ち寄って、大いに議論し取り組みを進め、商工組合にどんどん提案をしていくことで、商工組合がこれからの時代にマッチした活動を行うための原動力となり、商工組合及び会員事業者の健全な発展につながっていくことを期待したい。
整商連では、今回設立された岡山県自動車整備商工組合青年部会の活動を継続して取材し、その良さや課題等を取材していく予定である。